第5回 「幸福だんご」「カキ氷屋さん」

毎月4・14・24日に開かれるお縁日には、昔懐かしい露店が地蔵通りに沿って軒を連ね、壮観を呈すると共に江戸情緒豊かな風情の中、10万人とも15万人ともいわれる善男善女で賑わいます。

幸福だんご

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高岩寺さんの境内、洗い観音さまのすぐ近くで、縁日以外でも営業している「幸福だんご」さん。
「お団子」と聞いて、日本人なら誰もが頭に思い浮かべるそのままの形がケースに並べられています。もちろん、見た目だけではなくて、原材料も、米・水・醤油のみの素朴な味は、日本人なら誰もが懐かしさを覚えるはず。

飛躍の味!

「100円は飛躍(ひやく)円だからねっ!!!」

思わず誰もが「懐かしい!」と叫んでしまうようなイメージ通りのお団子。値段は1本100円。
なんでも10年以上この値段を守っているというからさすがです。100円は飛躍(ひやく)円だからね、とのこと。その言葉を裏付けるように、お邪魔したのは、最高気温が30度を超える真夏日の午後2時ぐらい、一番暑い盛りだというのに飛ぶように売れていきます。デパ地下などで日々生まれている新しいスイーツも魅力的ですが、その素朴な味は世代や時代を超えて誰にも受け入れられる味ですね。

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しあわせの味!

「“しあわせ”だんごって読むのよ」

店頭に「幸福」と書いてあったので、てっきり「こうふく」だと思っていたのですが、「しあわせ」と読むそうです。なんでも「このお団子屋さんのお団子を食べるとしあわせになる」という常連さんの声から店名を「幸福だんご」に変えたそうです。なんだか素敵な話ですよね。あっ、よーく見ると看板の上に「しあわせ」と書いてありますね。

1コインの幸せ、いかがでしょう???

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店舗データ

場所:高岩寺境内。縁日以外も出店。10時~18時ぐらいまで営業。

カキ氷屋さん

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夏です。カキ氷の季節です。こだわりの氷を今ではあまり見かけなくなった手動の機械で削ります。なので、氷はしゃりしゃり。味は何がお好みですか?定番のイチゴ、メロン?それとも、練乳にしますか???

カキ氷一筋30年

「“がりがり”じゃなくて、やっぱ”しゃりしゃり”じゃなきゃ」

氷を削ってシロップをかけるというシンプルな商品にいろいろなこだわりが詰まっています。 まず、削る機械は今ではすっかり珍しくなってしまった昔ながらの手動の機械。なんでもこの氷で削ると”しゃりしゃり”の食感になるとか。因みに、大量生産で作られるカキ氷はクラッシュアイスと呼ばれ、“がりがり”の食感になってしまうとのこと。やっぱり、カキ氷は“しゃりしゃり”ですよね!もちろん、氷は天然水。シロップの味も定番をご用意。お年寄りが多い土地柄、量も調節しています。

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文と写真:
巣鴨歴一年半のフォトグラファー見習い 中後政則