第6回 「湯呑・茶碗 左馬」「鮒武(佃煮)」

毎月4・14・24日に開かれるお縁日には、昔懐かしい露店が地蔵通りに沿って軒を連ね、壮観を呈すると共に江戸情緒豊かな風情の中、10万人とも15万人ともいわれる善男善女で賑わいます。

湯呑・茶碗 左馬【現在は閉店】

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高岩寺境内には縁日以外でもたくさんの露店さんがお店を開いています。そんなたくさんのお店の中から、今回は左向きの馬が描かれた湯呑・茶碗屋さんをご紹介します。最近ではダイエットやセラピーとして乗馬が注目されていますが、交通手段や機械が発達する以前、馬は今よりもっと私たちに身近な存在だったんですよね
そんな馬に昔の人々はいろいろな願いを込めたようです。

お馬さんが運んできてくれるもの

左向きに悠悠と走る二頭の馬が描かれた湯呑・茶碗にはどんな願いが込められているのでしようか、その由来を紐解いてみたいと思います。

古来の人々は五穀豊穣・無病息災などを神仏に祈願しました。そうして成就の秋には絵馬を神殿に奉納し農耕馬飾り立て秋祭りの主役に仕立てました。馬はこのように千年もの往来から神仏とは因縁浅からぬものがあります。

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「野馬一気に千里を迅きこと矢を放ちたるが如し」

と詠われたように、その姿そのままを「左馬奔馬」として須恵器画として、繁楽を守り人々が中風その他の難病を追放しました。中世以前より左馬須恵器は、人々を災害から守りました。特に、魔よけとして左馬須恵器は、初釜ものが珍重され、佳とされました。それ故に、この左馬の湯呑・茶碗は、厄除け・無病息災・家運長久・福寿万来など、幸福に満ちた人生を楽しみ最高の幸を得る伝説があります。
病気がちの方は、馬と馬の間から塩水か水を朝一番に一口または二口お飲みください。毎日の家族の幸は、三度、三度の食事から、左馬の厄除け湯呑・茶碗をお買い求めください。

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店舗データ

場所:高岩寺境内。縁日以外も出店。【現在は閉店】

鮒武(佃煮)

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巣鴨地蔵通りの縁日にお店を出して30年になる大塚にお店を構える佃煮屋、「鮒武」さんの露店にお邪魔しました。こだわりの日本産魚介類を使った甘露煮は絶品です!!!何を食べても口がまずく、食欲がわかない暑いこの時期、適度に塩分を含んだ佃煮をのせてお茶漬けなんてどうでしょう???

甘露煮がおススメ!

取材をさせていただいた8月14日の東京の最高気温、34度。日差しというよりも“日刺し”という表現のほうが適切な感じがしました。これだけ暑いと、何を食べても食欲が出ない方が多いのではないでしょうか???そんな時期、失った塩分を補充してくれる佃煮はおススメです。特に鮒武さんでは甘露煮にこだわってらっしゃるとのこと。素材も日本産を厳選して使っていて、エビは色のいいものしか使わないとのことでした。

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いろいろお話を伺っているうちに、ついつい仕事を忘れ、購入してしまいました。アサリの甘露煮。お茶漬けにしていただきました。冷たいもので弱ってしまった胃腸が癒される感じがしました。今度の縁日にどうですか?

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店舗データ

佃煮 鮒武
大塚駅前(南口サンモール商店街三菱銀行裏)
電話:03-3590-7031

文と写真:
巣鴨歴一年半のフォトグラファー見習い 中後政則